投資家は、FX会社から提示された為替レートを基に取引を行うことになりますが、実は、FX会社が提示する為替レートは、外国為替市場で取引される為替レートと全く同じではありません。更に、一般的な店頭FXの場合、FX会社が投資家に提示する為替レートは、それぞれのFX会社によって異なります。

FX会社によって、提示する為替レートが異なるのは、FX会社がカバー先(カウンターパーティー)と呼ばれる金融機関と行っている取引に理由があります。

カバー先とは

カバー先とは、FX会社に為替レートを提示している金融機関のことです。FX会社は、カバー先となる金融機関と提携を行っていて、カバー先の金融機関から提示された為替レートにスプレッドを反映させたレートを投資家に提示しています。

為替の世界には、株式市場のような取引所がありません。為替の取引は、銀行同士が取引を行うインターバンク市場と呼ばれるマーケットで行われています。このインターバンク市場で決められた為替レートを基に、カバー先は、FX会社に為替レートを提示しています。

要は、FX会社は、カバー先が取引を行うインターバンク市場と投資家を結ぶ仲介役となっている訳です。

ちなみに、投資家に提示される為替レートが、FX会社によって異なるように、FX会社に提示される為替レートも、カバー先によって異なります。

FX会社が、投資家に提示する為替レートは、カバー先が提示してきたものを基にしているので、カバー先が提示する為替レートが異なれば、最終的に投資家に提示される為替レートにも、差が出てくるという訳です。

カバー取引とは

投資家が、FX会社に注文を出すと、実は、FX会社も、カバー先に対して、投資家から受けた注文と全く同じ注文を出しています。このFX会社とカバー先が行う取引のことをカバー取引と言います。

なぜ、このようなことをするかというと、店頭FXは、FX会社と投資家との相対取引、つまり、1対1の取引となりますので、投資家に利益が出るということは、FX会社が損失を被ることを意味します。逆に、投資家の損失は、FX会社の利益です。いわゆるゼロサムゲームですね。投資家が損失を出せば、FX会社は儲かるのですが、仮に、投資家が利益を出し続ければ、FX会社は、損失を被り続けることとなります。これでは、商売あがったりですよね。

そこで登場するのが、カバー取引です。投資家から注文を受けたFX会社は、カバー取引として、全く同じ注文をカバー先に出します。こうした場合、投資家が利益を出しても、同じ取引をカバー先と行っているのですから、FX会社に損失は生じなくなります。損失を被るのは、カバー先の金融機関で、FX会社は、損失が出ないどころか、むしろ、スプレッドの分だけ利益が生じます。

つまり、FX会社からすると、カバー取引は、損失を出さないためのリスクヘッジの意味を持っているということになります。