国債とは、国が発行する債券を指します。それぞれの国が市場からお金を借りる際に発行するものが、国債です。株価と為替市場に関連性があったように、国債も為替市場と関連性を持っています。ということで、ここでは、国債と為替市場の関係性について、チェックしておきましょう。

国債価格と金利の関係

国債と為替相場の関係性を考える前に、まずは、国債価格と金利の関係ついて、整理しておきましょう。

国債に限らず、債券においては、その価格と金利の間には、逆の相関関係が見られます。つまり、市場の金利が上がれば、債券価格は下落(利回りは上昇)し、金利が下がれば、債券価格は上昇(利回りは下落)します。

  • 金利上昇→国債価格下落(利回り上昇)
  • 金利低下→国債価格上昇(利回り下落)

債券の利率は、発行時に決められており、債券価格は、市場の需要により変動します。市場金利の変動に応じて、債券価格が変動し、需給のバランスを取っているということです。

例えば、利率が2%で、価格が10万円の債権があるとします。

市場の金利が3%に上昇したら、利率2%の債券の魅力は下がりますよね。金利3%で運用した方が得ですから、わざわざ2%の債券を購入しようとは思いません。ですから、この債券の需要は少なくなり、債券価格は下がります。

逆に、市場金利が1%となれば、利率2%の債券で運用した方が得ですので、投資家の需要が高まり、債券価格は上昇します。

金利と通貨の関係を考えれば分かると思いますが、金利が上昇すれば、国債価格が下がるとともに、その国の通貨は強くなる傾向にありますし、金利が低下すれば、国債価格が上がるとともに、その国の通貨は弱くなる傾向にあります。

債券は安全資産

このように、金利と為替相場の関係性に基づけば、国債価格とその国の通貨価値の間にも、逆の相関関係があるのですが、債券と為替相場の関係性を考える際に、頭に入れておきたいのが、リスクオンとリスクオフの流れです。

国債を始めとした債券は、一般的に、ローリスクローリターンの安全資産と考えられています。リスクを抑えた投資をしたいとき、投資家の資金は、安全資産である債券に流れます。逆に、リターンを追及したいときは、債券は売られやすくなります。

ということは、リスクオンの相場では、債券は売られやすくなり、債券価格は下落。一方のリスクオフの相場では、債券は買われやすくなり、債券価格は上昇するということです。

相場がリスクオンの流れにあるのか、リスクオフの流れにあるのかを考える際に、特に基準となるのが、米国債です。米国債は、安全資産の代表格とも言え、米国債価格が下落基調にある際には、リスクオン相場となり、米国債価格が上昇基調にあれば、リスクオフ相場となるのが、一般的な流れです。

為替相場に注目すれば、米国債価格が低ければ、リスクオン相場と判断できることから、安全資産通貨は売られやすく、資源国通貨や新興国通貨が買われやすい状況にあると考えられますし、米国債価格が高ければ、リスクオフ相場と判断できることから、安全資産通貨は買われやすく、資源国通貨や新興国通貨が売られやすい状況にあると考えられます。

このように国債の安全性に注目して、為替相場の反応を分析するのも、重要です。

国の信用が下がれば国債価格は下落する

また、常に、国債価格が低い国の通貨が強く、国債価格が低い国の通貨が弱いとは限りません。逆のケースもあります。

例えば、ギリシャ危機と呼ばれるギリシャのソブリンリスクが騒がれた際には、ギリシャ国債の価格が暴落し、利回りはべらぼうに高くなっていましたが、ユーロは弱い状況にありました。

当然と言えば、当然ですが、投資家は、いつ破綻するか分からない国に投資をするようなリスクは負いたくありません。需要が少なければ、国債の価格は下がり、利回りは上昇します。一方、国家の危機は、その国の通貨の危機でもありますので、通貨の価値も下がってしまいます。

そのため、ギリシャ危機の際には、ギリシャのデフォルトを危惧して、ユーロは信用できないという投資家の考え方から、ユーロが下落したということになります。

つまり、国債を発行している国の信用が下がれば、国債価格が下がり、利回りが上がるものの、その国の通貨安の要因にもなるということです。

このように、国債と為替相場の間には、関連性があるものの、絶対的な答えはありません。国債価格が変動する理由も様々で、その理由によって、為替相場の反応の仕方は変わってきますので、国債価格の変動要因についても、常に考えておく必要があります。