経済ニュースで耳にすることも多い原油価格。一見、為替とは何の関係もなさそうな原油価格も、実は、株価と同じように為替相場に影響を与えます。

原油価格とは

原油価格には、いくつかの指標があるのですが、最も影響力が大きいのが、WTI原油先物価格。WTIというのは、ウェスト・テキサス・インターミディエイトの略なのですが、アメリカのテキサス州やニューメキシコ州を中心に算出される原油を指します。

WTIチャート

原油と聞くと、日本人にとっては、どうしても中東のイメージが強いのですが、アメリカは世界有数の産油国で、このWTIの原油価格が、世界中の原油価格に影響を与えています。

同時に、WTIの原油価格は、為替相場にも影響を与えますので、FXにおいても、注視すべき指標と言えます。

ちなみに、ニュース等で言う原油価格は、一般的には、原油先物価格を指します。先物価格というのは、先物取引における価格のこと。では、先物取引とは何かというと、将来の売買に関する条件をあらかじめ決めておく取引のことで、約束した将来が到来すると、その取引で合意した条件で売買が行われます。

原油価格の決まり方

原油価格は、需要と供給によって、成り立ちます。需要が多く、供給が少なければ、価格は上がりますし、需要が少なく、供給が多ければ、価格は下がります。先物の場合は、将来的に、供給に比べ需要が多くなると見込まれると、価格が上がりますし、供給に比べ需要が少なくなると見込まれると、価格は下がります。

つまり、原油先物価格は、将来的に見こまれる原油の需要と供給の関係によって、決定されることになります。

原油価格と為替相場の関係性

それでは、ここからは、原油価格が為替に与える影響について、見ていきましょう。

原油高で強くなる通貨と弱くなる通貨

原油価格の変動によって、強くなる通貨もあれば、弱くなる通貨もあります。それぞれの国の特徴が、原油価格に対する反応の仕方を左右しているのです。ここでは、一般的に、原油高となった場合に、強くなる通貨と弱くなる通貨を挙げていますので、トレードの参考にしてみてください。

原油高で強くなる通貨

原油価格が上がると、産油国の通貨は強くなります。

メジャー通貨で言えば、カナダドル。カナダは、立派な産油国ですので、原油高となれば、カナダドルも強くなります。また、ロシアも世界有数の産油国です。マイナー通貨ではありますが、ロシアルーブルも原油高により、強くなる通貨のひとつです。

また、オーストラリアの原油の産出量は決して多くありませんが、豪ドルも原油高の影響で、強くなりやすい通貨です。オーストラリアは、鉱物資源が豊富な資源国で、原油高につられて、同じ資源国通貨である豪ドルも強くなる傾向にあります。同様に、資源国であるニュージーランドのNZドルも強くなりやすいです。

原油高で弱くなる通貨

逆に、原油価格が上がることで、弱くなる通貨もあります。

まず、挙げられるのが、米ドル。アメリカは、有数の産油国ですが、その一方で、世界一の石油消費国です。そのため、原油高は、アメリカ経済にとって、マイナス要因となり、米ドルの下落につながります。また、原油は、ドル建てで決済されるという点も、原油高による米ドル安の要因のひとつです。ドル建てということは、原油の価格が上がれば、一方の米ドルは下がることになります。

も、原油高によって弱くなる通貨です。日本では、原油がほとんど採れませんし、石油への依存度が高いため、原油高は、日本経済にとって、マイナス要因となり、円は下落するという仕組みです。

原油価格が招くリスクオンとリスクオフ

もうひとつ、原油価格の変動によって、考えなければいけない点があります。それが、相場のリスクオンとリスクオフです。

単純に考えれば、原油価格が上がるということは、原油の需要が多いということ。原油の需要が多いということは、言い換えれば、原油の消費量が多いということですよね。原油の消費量が多いということは、どういうことを指すかというと、それだけ、経済活動が活発に行われているということを意味します。つまり、好景気ということです。

そのため、原油高となれば、相場もリスクオンとなり、米ドルや円といった安全通貨は売られやすくなります。逆に、資源国通貨や新興国通貨は買われやすくなりますよね。

一方、経済の将来的な見通しが不安定なときは、原油の消費量も少なく、原油安となります。原油安となれば、リスクオフ相場を招き、安全通貨は買われ、資源国通貨や新興国通貨は売られやすくなります。