レパトリエーションとは

レパトリエーションは、海外に投資していた資金を本国に引き揚げることを言います。略して、レパトリと呼ばれることもあります。

自国の金融商品だけでなく、海外の金融商品に投資をしている投資家は、たくさんいます。金融機関や機関投資家はもちろんですし、個人投資家も、海外の金融商品に投資をしています。例えば、FX投資家もそうですよね。FXは、外貨の取引ですので、FXをやっていれば、海外の資産を保有していることになります。また、海外の市場を相手にしているグローバル企業は、当然、海外に資産を保有しています。

レパトリエーションは、このように海外に資産を保有している投資家等が、何らかの理由により、自国に資金を戻すことを指します。

レパトリエーションの原因

レパトリエーションは、自国の資産が必要になったときや地政学的リスクの高まり等によって、起こります。

例えば、よく言われるのが、企業の決算期です。決算期が近づくと、企業は、海外で得た利益等を本国に帰還させたり、また、金融機関や機関投資家は、海外資産を売却して、自国の資産に戻す傾向が強くなります。日本の場合、3月決算の企業が大半ですので、それに備えて、2月から3月にかけては、実需のレパトリエーションが多く見られます。

また、海外の投資先において、金融危機が起きたり、地政学的リスク等が高まれば、リスクオフの流れから、レパトリエーションが起こりやすくなります。

レパトリエーションが為替相場に与える影響

レパトリエーションが起きると、海外資産を売って、自国の資金に換えることになりますので、理論上、為替相場に影響を与えることになります。

例えば、決算期に、日本の企業や金融機関が、一斉に海外の資金を引き揚げたとすれば、円の需要が高まりますので、円高要因となりますよね。

レパトリエーションが、為替相場に影響を与えたケースとして、有名なのが、2011年に起きた東日本大震災のときです。このとき、保険会社には、多額の保険金の支払いが予想され、また、企業等には、多額の復旧費用が必要になると予想されたため、レパトリエーションが増えると見られていました。これに、ヘッジファンド等の投機筋が反応し、円買いを加速させたことから、一時、急激な円高が進行しました。

もちろん、為替相場は、レパトリエーションのような実需だけで動いているものではありませんので、決算期が近いからといって、必ずしも円高が進むということではありません。決算期でも、円安が進むことだって、当たり前のようにあります。ただ、レパトリエーションは、ひとつの通貨高要因となりますので、頭に入れておくと良いでしょう。

また、東日本大震災のときのように、大きなレパトリエーションの観測が強まると、ヘッジファンド等が反応し、相場が一斉に動き出すことから、投機筋の動きにも注意が必要かもしれません。